腸内環境は、健康や美容、メンタル面にまで影響を与える重要な要素といわれています。そこで近年注目を集めているのが、自分の腸内細菌の状態を可視化できる「腸内フローラ検査」です。検査を通じて腸内細菌の種類やバランスを知ることで、体質に合った食生活を理解しやすくなります。本記事では、腸内フローラ検査によって何がわかるのか、メリット・デメリットを踏まえてわかりやすく解説します。
腸内フローラ検査とは?
腸内フローラ検査とは、便を採取して腸内に存在する細菌の種類や割合を解析する検査のことです。腸内には数百~数千種類もの最近が存在しています。その集まりが花畑のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれています。
腸内細菌のバランスは、腸に関係する疾患やうつ病・認知症などの脳機能に関わる疾患、肥満や糖尿病といった多くの疾患に影響をもたらすといわれています。そのため、自分の腸内環境を理解することが、健康的な生活を送るために重要とされています。
検査では、DNA解析などの技術を用いて腸内細菌の構成を調べます。医療機関だけでなく、自宅で簡単にできる検査キットも増えており、手軽に利用できる点も特徴です。
腸内フローラ検査でわかること
腸内フローラ検査を受けることで、自分の腸内の様子を客観的に理解できます。ここでは、検査によってわかることをくわしく解説します。
腸内細菌の構成・割合
腸内フローラ検査では、腸内に存在する細菌の種類やその割合を知ることができます。善玉菌・悪玉菌・日和見菌がどの程度の割合で存在しているかを理解できるため、腸内環境が良好かどうかを判断する目安になります。
菌の多様性
腸内細菌の種類がどれだけ多いかも重要なポイントです。多様性が高い腸内環境は、外部からの刺激に強く、健康的であるとされています。病気を予防するためには、一定程度の多様性の高さを維持することが重要です。
菌のバランス
腸内フローラ検査では、菌のバランスの良さを段階的に評価します。数百から数千種類の腸内細菌で構成されている腸内フローラは、バランスをとることが最も重要とされています。
特定の菌が極端に多かったり少なかったりすると、不調につながる可能性があります。検査結果から、腸内細菌のバランスの偏りを把握できます。
腸内細菌のタイプ
検査によっては、腸内細菌のタイプを分類してくれるものもあります。炭水化物の分解が得意なタイプや、脂質代謝に関わるタイプなど、自身の体質傾向を知る手がかりになります。
特定の病気のリスク
研究によると、腸内環境と生活習慣病、肥満、アレルギーなどの関連性が指摘されています。検査結果から、将来的なリスクの傾向を知ることができます。
食生活へのアドバイス
検査結果をもとに、どのような食品が腸内環境の改善につながりやすいかといったアドバイスが提供されるケースもあります。プレバイオティクスやプロバイオティクスとなるサプリや食品を積極的に取り入れることで、より良い腸内フローラを目指せるようになります。
遺伝子検査との違い
腸内フローラ検査と同様に、病気のリスクを理解できる検査として「遺伝子検査」が挙げられます。腸内フローラ検査と遺伝子検査の違いが気になる方も多いのではないでしょうか。
腸内フローラ検査では、腸に存在する菌の構成情報から病気のリスクを分析します。腸内環境は摂取する食品によって変化するため、検査結果を通じて食生活の改善を目指せます。
一方、遺伝子検査はDNAを解析し、生まれつきの遺伝的な要因を把握するものです。このように、腸内フローラ検査と遺伝子検査は、病気のリスクを理解できる点では似ていますが、検査対象が大きく異なります。
腸内フローラ検査のメリット・デメリット
腸内フローラ検査では、腸に関するさまざまな情報を得られますが、検査を受けることによるメリット・デメリットがあるのか気になる方も多いことでしょう。ここでは、腸内フローラ検査のメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
腸内フローラ検査のメリット
腸内フローラ検査の最大のメリットは、自分の腸内環境を可視化できる点です。検査結果をもとに、適切なサプリメントや食品を選びやすくなるため、生活習慣の改善に役立てられます。
検査によっては、将来的な病気のリスクを把握できるものもあります。病気の予防や未病への対策をとることで、健康的な生活を送れるようになります。
さらに、医療機関で実施されている検査の場合、治療や食事指導が受けられるケースもあります。
腸内フローラ検査のデメリット
腸内フローラ検査のデメリットのひとつが、費用が比較的高いということです。1回の検査で数万円程度かかるため、受けるかどうか悩む方もいるかもしれません。
また、検査結果が出るまでには、数週間から1か月ほどかかるのが一般的です。すぐに結果を知りたい方にとっては、デメリットになりうるでしょう。
腸内フローラ検査がおすすめの人
腸内フローラ検査を受けることで、自分の体と向き合い、健康管理に役立てられます。とくに、以下のような悩みを抱えている方に最適です。
長年、おなかの不調に悩んでいる人
「便秘や下痢を繰り返している」「お腹が張りやすく、ガス溜まりに悩んでいる」「食後にお腹がゴロゴロする」といった悩みを抱えている方は、腸内環境のバランスが乱れている可能性があります。検査を受けることで、不調の原因を見つけることができます。
原因を理解することで、食事や生活習慣の改善がしやすくなります。
体質改善をしたい人
「ダイエットをしても痩せにくい」と感じている方にも、腸内フローラ検査がおすすめです。近年話題の「瘦せ菌」や「肥満菌」などのバランスを知ることができます。
痩せ菌・肥満菌と呼ばれるものは、善玉菌でも悪玉菌でもない「日和見菌」です。通常、日和見菌はどちらか優位になった方に味方します。そのため、善玉菌が優位になる状態をキープすることで、痩せやすい体づくりにつながります。
肌荒れやアレルギーが気になる人
「腸は肌を映す鏡」といわれているように、腸内環境は肌の状態と密接に関係しています。長期間ニキビや吹き出物などの肌荒れに悩んでいる方は、腸内バランスが崩れている可能性が高いでしょう。
また、腸は体の中で最も大きい免疫器官といわれています。季節の変わり目などにアレルギー症状が出やすい方は、腸内環境を改善することで症状を緩和しやすくなります。
不調を感じている人
「疲れが取れにくい」「なんとなくすっきりしない」といったように、原因がわからない体の不調は、腸内環境の乱れが影響しているかもしれません。腸内細菌は、活動するために必要なエネルギーを生み出したり、心身のバランスを整えたりする役割を担っています。
腸の状態を知ることで、生活の質を高めるヒントが見つかる可能性があります。
自分に合った腸活を知りたい人
近年、メディアやSNSを通して「腸活」が話題になっています。医師や栄養士、モデルなどさまざまな人が紹介していますが、正しい方法を理解している方は少ないのではないでしょうか。
単に発酵食品や食物繊維を多く摂取すればよいというわけではなく、自分に合った腸活方法を取り入れることが重要です。検査を通じて、自分だけの食事指導・生活習慣アドバイスが受けられるため、より効果を実感しやすくなります。
まとめ
腸内フローラ検査は、腸内細菌の種類やバランスを可視化し、自分の腸内環境を客観的に把握できる検査です。腸内細菌の構成や多様性、体質の傾向を知ることで、健康的な体づくりに役立てられます。とくに、長年おなかの不調に悩んでいる方や肌荒れ・アレルギーが起こりやすい方は、腸内環境を整えることで体質改善につながる可能性があります。自分に合った腸活の方法を知ると、より高い効果が期待できます。検査は、病院やクリニックのほか、自宅で手軽に受けられるものもあるため、自分に合った方法を選ぶといいでしょう。本記事が参考になれば幸いです。